2016年10月29日

1966年5月26日ロイヤル・アルバート・ホール公演の曲目

 11月11日に発売予定の『The 1966 Live Recordings』をさらに楽しむための副読本(?)『JUDAS!: From Forest Hills to the Free Trade Hall: A Historical View of Dylan's Big Boo』(クリントン・ヘイリン著)が一足先に届きました。そのp.259に、ファンがコンサート・プログラムに記した5月26日の曲目メモの写真が掲載されているのです。その一部がこれ:

19660526.jpg


 次のような感じで読み取れます。新曲のタイトルは不正確ですが、歌詞の一部がメモられてるので、[  ]が演奏されたのだと推測できます(〈Tell Me, Momma〉は仕方ないですね)。

 She Belongs To Me
 Gum + Jamaican Rum [Fourth Time Around]
 Vision Of Joanna
 Baby Blue
 Desolation Row
 Breaks Like A Little Ol' Girl [Just Like A Woman]
 Tambourine Man
 Unknown [Tell Me, Momma]
 I Can't Understand [I Don't Believe You]
 Baby Let Me Follow You Down
 One Too Many Mornings
 I've Got A Brand New Leopard Skin Pill Box Hat [Leopard-Skin Pill-Box Hat]
 Just Like Tom Thumb's Blues
 Ballad Of A Thin Man
 Like A Rolling Stone

 注目の箇所はセカンド・セットの〈Just Like Tom Thumb’s Blues〉と〈One Too Many Mornings〉。定説とは逆の順番になってるんです。《The 1966 Live Recordings》の曲目として発表されてるものは下の通りなので、メモのほうが間違ってるっぽいのですが、オフィシャル筋のやることには結構ミスが多いので、先日お話しした5月27日の曲目の異説の件も含め、最後の最後で大どんでん返しがあるかもしれません。発売まであと2週間!

CD 28 -London, May 26, 1966 (CBS Records recording)
1. She Belongs to Me
2. Fourth Time Around
3. Visions of Johanna
4. It’s All Over Now, Baby Blue
5. Desolation Row
6. Just Like a Woman
7. Mr. Tambourine Man

CD 29 -London, May 26, 1966 (CBS Records recording)
1. Tell Me, Momma
2. I Don’t Believe You (She Acts Like We Never Have Met)
3. Baby, Let Me Follow You Down
4. Just Like Tom Thumb’s Blues
5. Leopard-Skin Pill-Box Hat
6. One Too Many Mornings
7. Ballad of a Thin Man
8. Like a Rolling Stone



   
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2016年10月28日

リンゴ・スター来日記念! 4カ月前のインタビュー

 いつもネタを提供していただいているマイク・ラゴーニャのページにリンゴのインタビューが載ってるのに気がついたのは、関空到着をニュースで知ったのとほぼ同時。どうにか来日中にここで紹介することが出来てよかったとは思いますが、話の内容(ノース・カロライナの「トイレ法案」騒動)からすると、タイミングを逸した感は半端ないですね。
 私は10月31日と11月1日の東京公演を見に行く予定です。

   



リンゴ、愛と平和、その他もろもろを語る
聞き手:マイク・ラゴーニャ


リンゴ、2012年以来ずっと同じメンバーでオール・スター・バンドをやってるわけですが、グループはユニットとして、個人として、音楽として進化しましたか?

 全員優秀なミュージシャンだ。オレを含めて、全員が名曲を持っている。ヒット曲もあれば、美しい曲もある。心情的にも、全員仲良くやってるよ。ツアーが完了するたびに、「さあ、これで終了だ」って思うんだけど、突然、誰かが「また数ヶ月後にツアーをやりたくないかい?」って言い出すと、全員が「もちろん」て答える。そうして転がり続けているんだよ。今現在、オレたちは4年と1カ月、一緒にやっている。バンドにいるような気分さ。いつも皆で一緒にいるし----もちろん、毎日じゃなくて、年に3〜4カ月ってところだけどね。だから、本当にバンドをやってるような気がするんだよ。誰かがどこかに行くなら、全員がミュージシャンとしてそいつについていくぜって感じでさ。

最新アルバム《Postcards From Paradise》でもこのバンドをフィーチャーしていて、それに加えて全員で〈Island In The Sun〉を書いてます。そういう面でも進化を遂げているわけですね。

 その通りだ。あらゆるバンドで曲を書いてレコードを作ろうと試みてはいたんだけど、昨年初めて、それをやり遂げたのさ。ビロクシにいた時に、ゴキゲンなジャムが始まって、メロディーのアイデアっぽいのが出てきたんだ。ジャムしながら、皆が何かを叫んでいた。オレは自分の部屋に全員を呼んで、「この曲を完成させよう」って言ったんだ。で、実際にそうして、ロサンゼルスに戻った時に、オレのスタジオでレコーディングしたのさ。素晴らしかったね。これをやり遂げるのに、何年も待たなきゃならなかった。もう1曲は…すでにトラックが完成していて----いつもは逆の順番で作業をするんだ。トラックが出来て、その後、メロディーと歌詞を書くんだけどさ----「Lovers Under Mr. Moonlight」(ミスター月光の下にいる恋人たち)ってフレーズを使えたらいいなあって思って、ビートルズの曲のタイトルを使った曲を書き始めたんだ。タイトルの半分くらいはオレが出したんだぜ。自分で出来る限り作ってから、トラックとメモ全部をトッド(・ラングレン)に渡すと、こいつはどこかに行って作業し、2週間後に完成品が送られて来てみたら、いい曲になっていた。互いに知ってる仲だと、こういういいことが出来るんだよな。

ソロ・アルバムとオール・スター・バンドとの境界はぼやけてきてるんですね。

 その通り。最初のギグに合わせてレコードを作らなかったのは残念だ。そうしておけば、ツアーに持って行くことが出来たのにな。そうしたいなあ。今のツアー終了後には夏休みを取って、その後、10月に再びツアーに出る予定だ。そういうふうにずっと続く。5年後にキミから電話があったら、「ああ、まだ一緒にやってるぜ」って答えるだろうな。

いいですね! ツアー活動はあなたの創造性にどのような影響を与えていますか?

 音楽を始めた理由を満たしてくれる。つまり、夢だよ。13歳の時に、ドラムを演奏したいって思ったんだ。入院中にね。退院してからリヴァプール中を歩き回って楽器屋をのぞいた。ドラムを見てるだけだったけど、惚れちゃったのさ。ドラマーになりたいって思ったね。その後、最初のドラム・キットを手に入れた。あの頃は、楽器を手に入れたら、即、バンドに入れたんだ。楽器を始めたばかりで練習の段階なのは、皆、同じだった。オレがいた最初のバンドは、エディー・クレイトンて奴とやったんだ。家も近所で、職場の工場も同じだったこいつは、本当に楽器が演奏できる連中のひとりだった。オレはこいつと一緒のバンドでドラムの演奏を始めた。それから、ロイ(・トラフォード)って友人{ダチ}がベースを弾いて、ロニー・ドネガンの影響で、オレたちはスキッフルを演奏していた。スキッフルはイングランドでは大流行していた。当然、リヴァプールでもね。リヴァプールには何百ものバンドがあって。オレは上にあがり続けた。その数バンド後に入ったのがローリー(・ストーム&ザ・ハリケーンズ)で、これはいいバンドだった。で、その後、ビートルズに入ったんだ。オレはビートルズのフロント・ラインが気に入った。そしたら、今度はそのバンドにいた。夢がどんどん広がっていく感じだ。演奏するのが好きだから、今でもなお、バンドにいる。ドラマーがドラムだけを持って活躍するのは、とても難しいよ。

友情も活動を続ける重要なカギじゃないですか?

 混じりけのない喜びだね。オレは演奏するのが好きなだけだ。優れたプレイヤーと演奏するのも好きで、こっちもやり遂げたなあ。これこそ10代の時に考えてたことだ。「もっといいバンド、もっと優れたミュージシャンとプレイしよう」って思っていて、実際に上にのぼっていき、オレの場合、行き着いた先が最も偉大なバンドだった。全員が優れたプレイヤーで、優秀なソングライターだった。ソロ・アルバムを作り始めた時のことを見てみればわかる通り、オレはたくさんの優秀なミュージシャンにレコードでプレイしてもらった。それを一時も忘れないようにしている。このバンドを結成した時は、先のことなんかわからなかった。名曲揃いのオール・スター・バンドの別バージョンが出来て、1年は続くかなあって感じだった。先のことなんて誰にもわからない。あれから4年経った今、まだこのバンドをやっている。まだツアーをやっている。まだたくさん楽しんでいる。

ノース・カロライナのLGBTの権利を尊重したあなたの行動は見上げたものでした。コンサートをキャンセルするのは辛かったでしょうが、どんな気持ちでそうしたのですか?

 人々がまだ看板を掲げて、ああいう子供たちはここが違う、あそこが違うっていちいち言うなんて、狂ってるって思ったんだ。こういうことを経験している子供の親の反応は2種類にわかれている。PBS(アメリカの非営利・公共放送ネットワーク)はこうした若者に関する優れた番組を放送したよ。トランスジェンダーってだけでも大変なのに、でっかい看板にそう書かせたいんだろ。過去にも、人々がそう言ってた時代があった。アメリカやイギリスじゃ、ゲイってだけで投獄された。その後、ゲイでもいいよ、でも、同性同士じゃ結婚出来ないからねっていう状態になった。今は、結婚することが出来る。同性で結婚して誰かを傷つけてる? 誰も傷つけてないよね。トランスジェンダーで生まれて来た人は、トランスジェンダーでいいんじゃないの。皆、神の思し召しで生まれてきたんだ。オレたち全員、魂を持っている。こうした若者は魂にマッチしない体を持って生まれてきてしまったんで、別の性になる必要があるって思ったんだろ。こういうことが表に出るようになったのは素晴らしいことだよ。ボビーにはなりたくない、ベティーになりたいって感じている3歳の子供がいるんだろ。それって超辛いよ。3、4歳でこういうジレンマを抱えてるわけだ。そして、そのままティーンエイジャーになる。こういう子たちに「お前は人と違う、お前なんかいらない、お前はこうしろ」って言うなんて、ノース・カロライナ州はずいぶん残酷だよな。誰もこんなことしたことない。警察署長が出てきて「事件は1件も発生しておりません」て言ってるのに、ある女性が「きっと、いろいろしでかします」なんて言っている。トランスジェンダーの子供たちのことのほうを考えてあげるべきなのにさ。トランスジェンダーの大人もいるが、そういう子供もたくさんいる。面倒を見てあげなきゃいけないよ。オレのこと、偉そうに言いやがってって思ってるかい?

参考資料
"トイレ法案"めぐりアメリカ政府とノースカロライナ州が大論争。「差別だ」ってどういうこと?
http://www.huffingtonpost.jp/2016/05/10/obama-administration-sues-north-carolina-over-anti-lgbt-bathroom-bill_n_9881476.html

【トイレ法案】NBA、LGBT差別法があるノースカロライナ州でオールスターゲームを開催せず
http://www.huffingtonpost.jp/2016/07/21/nba-pulls-all-star-game_n_11125760.html

リンゴ・スターもノースカロライナ州での公演をキャンセル
http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/37011/2


いえいえ。美しい意見です。心配には及びません。

 子供たちについて話してるんだ。愛してあげようよ。やさしくなろうよ。理解しようよ。それで自分が困ったことになるのか? ならないよ。やさしくしよう。愛そう。平和になろう。そんなに難しいことか?

そこから次の話題に行きたいのですが、誕生日の7月7日に、正午にちょっと手を止めて愛と平和を願うよう、皆に訴えましたね。

 皆にもやってもらうよう、新聞に広告を載せたんだ。ドイツでもそうしたし、イギリスでもそうした。アメリカのたくさんの都市でもそうしたんだけど、オレたちはこれをロサンゼルスで正午にやることに落ち着きそうかな。ヨーロッパの人は寝ちゃってると思うけどさ。いろんな国の正午にニュースが流れるように頑張る予定だ。バスに乗っていようが、工場の中にいようが、どこにいても、ちょっと手を止めて「愛と平和」って言ってくれ。これは、誰かから「誕生日には何が欲しいですか?」って質問されて、「皆が「愛と平和」って言ってくれたらステキだな」って答えたのがきっかけで始まったんだよな。今でもそれに向けて努力中だ。日本でも出来る。ロシアでも出来る。いろんな国で出来る。でも、もっと宣伝すれば、もっとたくさんの人がやってくれることになるだろう。


[2016年の誕生日メッセージ]


「愛と平和」のメッセージは醜い政治のレトリックのせいで少し拡散しにくくなってるでしょう。リンゴにとって「愛と平和」にはどんな意味がありますか?

 難しさは増しちゃいない。オレはただ続けてるだけさ。何度かマスコミで叩かれたことがあるよ。「あいつ、また、愛と平和かよ」ってさ。その通りさ。オレは単に平和で人を愛す人間でしかないのに、皆がうちとけてくれないのは困ったことだよ。こういうことを長年やってて、そこから得たのは…こんな夢を持ってるんだ。いつの日か----ある年のある月のある日のある時間に----世界中の皆が「愛と平和」って言ってくれたらいいなって。オレはそのために頑張ってるんだ。きっとそうなるって信念を持っている。



現在、成功の糸口を見つけようと頑張っている新人アーティストにはどんなアドバイスをしますか?

 オレがやったのと同じことをやらなきゃいけないね。クラブでプレイする。最善を尽くす。上にあがろうと頑張る。今でもまだ、レコードを作ることが重要なことなのかどうかは知らないけど、ビートルズにとってはそれが超重要だった。プラスチックの盤を見て「オー・マイ・ガーッ、すげえぜ!」ってね。今じゃ、今時の言い方だと「ビートルズはあらゆるストリーミング・サイトでストリーミング中です」なんていうのかな。先日、誰かから聞いたんだけど、クリスマスイヴ以来、オレたちの曲は100万回ストリーミングされたらしい。凄いじゃないか。ビートルズの音楽には今でもなお価値があるんだ。今の世代も、その前の世代にも聞かれているんだよ! オレたちや、オレたちが活躍してた頃に生きてた人々だけじゃなくてね。動き続けてるんだよ。ビートルズの音楽っていう恵みが、今でもなお、音楽的に価値があるってことは、本当に素敵なことだ。

今日は時間を割いていただき、本当にありがとうございました、リンゴ。愛と平和を。

 あなたにも愛と平和を!

(Transcribed by Galen Hawthorne)


The copyrighted article "Peace And Love And More: A Conversation With Ringo Starr" by Mike Ragogna
http://www.huffingtonpost.com/entry/peace-and-love-and-more-a-conversation-with-ringo_us_575d8d73e4b0b6c49600eb0e
Reprinted by permission.
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2016年10月23日

ボブ・ディランにヘブライ語とシオニズムを教えた夫婦

 今、テルアヴィヴのディアスポラ博物館で「Forever Young – Bob Dylan at 75」という特別展をやってるようです(2016年5月〜2017年4月)。それに伴い面白い話が発掘されました。

Telaviv.jpg


Forever Young – Bob Dylan at 75
http://www.bh.org.il/event/forever-young-75th-anniversary-bob-dylan/

   




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2016年10月22日

《Prog Noir》発売記念トニー・レヴィン・インタビュー

 20年くらい前にロバート・フリップにインタビューした時に、トニー・レヴィンはキング・クリムゾンに参加して俄然評価が高まりましたね、なんて文脈で、「彼はキング・クリムゾンに入る前は単なるスタジオ・ミュージシャン(just a session man)でしたが…」と言ったら、フリップから「キミねえ、単なるじゃないよ(NOT JUST!)」って訂正されてしまいました。あわてて適切な表現で言い直したことは言うまでもありませんが、そんなつもりはこれっぽっちもなかったとはいえ、あの時の失礼で無神経なものの言い方は今でも思い出すと超赤面です。その数年後にリキッド・テンション・エクスペリメントのアルバムが出たタイミングでトニーに会った時には、こんな失敗はせず(だといいな)、見事なスキンヘッドを間近で見ながら(側頭部には毛根が残ってた)、各ミュージシャン/プロデューサーのチャップマン・スティックに対する反応の違いを訊きました。ピーター・ゲイブリエルのプロデューサー(ボブ・エズリン)は未知数のものがレコーディングで使用されるのを避けたいらしく、スティックには難色を示してたのだとか。ジョン・レノンは何と言ってたか…。テープが見つかったら聞き直してみます。



 ということで、今日は当ブログではお馴染み、マイク・ラゴーニャによる最新インタビューを紹介しましょう:




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2016年10月20日

『Never Say No To A Rock Star』の著者グレン・バーガー・インタビュー

 当ブログでは既にいくつかの記事でお馴染みのグレン・バーガーが、ニューヨークのA&Rスタジオで働いていた頃の回想をまとめた本『Never Say No To A Rock Star』を出しました。ボブ・ディランの《Blood On The Tracks》セッション、ローリング・ストーンズのブリュッセル公演のミキシング、ポール・サイモンやフランク・シナトラのセッションの話を核に、スタジオでの喜怒哀楽、悲喜こもごもを綴った本書は、有名ミュージシャンの裏話の紹介にとどまらず、現在の職業である精神科医の見地から「人の心を動かす芸術を作るとはどういうことなのか」を深く、鋭く洞察したものです。



 当サイトではグレンのインタビューを複数回に渡って掲載予定ですが、今回、まずは、TheVinylPressによる包括的な話題のインタビューを紹介します。そして、近々、私がグレンに電話をかけて、話題を主にボブ・ディランの《Blood On The Tracks》とローリング・ストーンズのヨーロッパ'73に絞ったインタビューを行ないたいと思っています。今から1週間後くらいにニューヨークに国際電話をかけて、積年の質問をぶつけてみる予定ですが、こういうことも訊いてくれというリクエストがありましたら、まだ間に合いますので、コメント欄に記入していただくか、直接メッセージをください。

   






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