2023年04月24日

【新刊】『ライク・ア・ローリング・カセット カセットテープと私 インタビューズ61』著・湯浅学

 湯浅学がいろんな人(主にミュージシャン)にカセットテープに関する思い出話を聞いている本です。カセットテープというと、グレイトフル・デッドとボブ・ディランが大好きな私(と悪友たち)としては、DATに移行するまで、コンサートの録音と音源のトレードがその主な利用法だったわけですが、この本にはその話題は殆どありませんでした。
 録音とテープ・トレードもファンの間じゃ重要な文化だったんだけどなあ。変な連中しかやってなかったけどさ。
 ただ、高田漣が、オジサンにあたる人がライ・クーダーの名古屋公演をはじめ、その方面で開催されたいろんなコンサートを録音したカセットテープをいろいろ残してることを話題にしてました。

ライク・ア・ローリングカセット: カセットテープと私 インタビューズ61 - 湯浅 学
ライク・ア・ローリングカセット: カセットテープと私 インタビューズ61 - 湯浅 学

ギターというモノ/ギタリストというヒト プルースト、ベイトソン、ソンタグ、高田渡 - 高田漣
ギターというモノ/ギタリストというヒト プルースト、ベイトソン、ソンタグ、高田渡 - 高田漣

Concert for Modern Times [Analog] - 高田漣
Concert for Modern Times [Analog] - 高田漣
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2023年04月20日

ボブ・ディランのツアーTにウクライナの伝説の3勇士

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 ツアーTシャツのA、買いましたか? この3人の軍人らしき人、歴史に疎い私は古代ローマの王様(Early Roman Kings)かと思ってたら、そうではありませんでした。ボブの東京公演を見に来た台湾の音楽評論家、馬世芳さんが日本滞在中にネットを検索して元ネタを突き止めて、facebookに書き込んでくれました。

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 元の絵はロシアの画家、ヴィクトル・ヴァスネツォフ(1848〜1926)が1881〜98年に描いた『勇士たち』(『3人の勇士』『英雄たち』)という作品で、現在、モスクワのトレチャコフ美術館に所蔵されています。
 馬氏が見つけたのはロシア語のサイトで、語学に疎い私はDeepLで英語や日本語に翻訳を試みたものの、内容はよくわからず。しかし、そんな無駄な努力をせずとも、日本語のwikipediaに載ってるじゃないですか。早く言ってよ。
 この3人は古ロシア語で書かれた英雄叙事詩『ブィリーナ』に登場する勇士で、左からドブルィニャ・ニキーティチ、イリヤ・ムーロメツ、アリョーシャ・ポポーヴィチ。ムーロメツはキエフ大公国のウラジーミル1世(治世は10世紀末〜11世紀初頭、この人は実在。ウクライナ語の発音だとヴォロディーミル)に使えた三勇士のひとり。
 ヴァスネツォフが描いたのは、旅の途中の勇士3人が広野を見回しながら、誰かが災難に遭遇してないか、どこかに敵が潜んでないかなどを確認している様子だそうです。
 ヴァスネツォフは帝政ロシア時代の画家で、神話や宗教、歴史を題材とし、叙事的で壮大な表現や耽美主義的な傾向が見られることから、ロシア象徴主義の一員に数えられることもあるのだとか。

詳しいことは次のサイトを参照してください:

『勇士たち』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%87%E5%A3%AB%E3%81%9F%E3%81%A1

ヴィクトル・ヴァスネツォフ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%82%B9%E3%83%8D%E3%83%84%E3%82%A9%E3%83%95

英雄叙事詩『ブィリーナ』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%8A

イリヤ・ムーロメツ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%83%A4%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%A0%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%A1%E3%83%84

 ロシアの文化や歴史、芸術に詳しい方、解説してくれませんか。

 キエフ(最近では「キーウ」と表記されることが多い)は、現在、ロシアから攻撃を受けているウクライナの首都です。ボブの父方の祖父母、ズィグマン&アンナ・ズィママンは東欧で激しさを増すユダヤ系住民への迫害(ポグロム)から逃れるために、20世紀初頭にウクライナ南部の港町オデッサ(オデーサ)からアメリカに渡ってきました。難民としてです。
 ウクライナ戦争が終結の糸口が見つからないままズルズルと続いているこのご時世において、ツアーTシャツにウクライナの伝説的英雄のイラストをプリントしたというのは、何やら意味深です。(4/21追記:この図柄のTシャツは2019年からツアー・グッズとして売られているそうです)

 ところで、馬さんからは面白い話を聞きました。ボブ・ディランの歌詞集の中華バージョンが数年前に発売された際、《Blonde On Blonde》と《Basement Tapes》の歌詞の翻訳を担当したものの、特に後者には四苦八苦したそうです。ボブ側のスタッフとして女性の担当者が質問を受け付けてくれたのですが、質問に対する回答の90%が「私にもよくわからないんだけど、恐らくセックスのことじゃないかしら?」だったのだとか(笑)。馬さんは現在、『哲学』本を台湾語に鋭意翻訳中です。

Shadow Kingdom - Bob Dylan
Shadow Kingdom - Bob Dylan

Shadow Kingdom (アナログ盤) (特典なし) [Analog] - ボブ・ディラン
Shadow Kingdom (アナログ盤) (特典なし) [Analog] - ボブ・ディラン

Shadow Kingdom (Vinyl) [12 inch Analog] - Bob Dylan
Shadow Kingdom (Vinyl) [12 inch Analog] - Bob Dylan

Shadow Kingdom (通常盤) (特典なし) - ボブ・ディラン
Shadow Kingdom (通常盤) (特典なし) - ボブ・ディラン

ソングの哲学 - ボブ・ディラン, 佐藤 良明
ソングの哲学 - ボブ・ディラン, 佐藤 良明
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