2011年04月20日

台湾の音楽評論家/DJ、馬世芳氏にいろいろうかがった話

 ボブ・ディランがせっかく台湾、中国、ベトナム、シンガポールを回るアジア・ツアーをやるというので、どこか1カ所くらいは行かなければ自分の気持ちがおさまらず、少しばかり戻ってくるはずの2010年度分の所得税の還付金をあてにして、どうにか台北までは行きました。
 台湾には10年以上前から親交のある音楽評論家/DJの馬世芳氏がいるのですが、これまでは馬氏が日本で行なわれるロック・コンサートを見に来るばっかりだったので、やっと私が彼の国を訪問することが出来たというわけです。しかも、チケット取りから観光に至まで、全て馬氏におんぶにだっこ。本当にありがとうございました。
 ボブの台北小巨蛋公演そのものに関しては、既に各所でレビューが載っていますし、音源も広く出回っているので、このページでは海を越えて日本には届かないような内容のことを、馬氏へのインタビューという形でまとめました。
886d191d.jpg 馬氏の最新刊『昨日書』には2010年3月末にボブの東京公演を見に来たことも書いてあり、「こいつとは長い付き合いなのだが、日本食を食べてるのは見たことがない」などと私についても少し触れています。彼の台湾の若いロック・ファンへの影響力は大きく、彼が日頃ボブをプッシュしていたからこそ、台北小巨蛋の安価なセクションが売り切れたと言っても過言ではないでしょう。

馬世芳氏ブログ
http://blog.roodo.com/honeypie

最新刊『昨日書』発売記念トークショウ


インタビュー記事より抜粋

●ところで、最近の台北のロック・シーンはいかがですか?

 大物のコンサートがたくさんあって見るのに忙しいです。イーグルスも来ました。市内から少し離れたスタジアムで行なわれたのですが、当日の晩、なぜか会場に向かう道路は大渋滞で、普段なら車で45分くらいで行けるところが2時間もかかったのです。だから、4曲目に演奏された「ホテル・カリフォルニア」を聞けなかった人がたくさんいました。超代表曲なので終盤かアンコールで演奏されるのだろうと思ってたら、この曲は既に終わっちゃっていたのです。
 ボブ・ディラン公演の数日前にはサンタナのコンサートもありました。3時間も演奏が続いたので、見ている観客の方が疲れてしまいました。これで最後の曲だろうと思ってスタンディング・オベーションをすると、サンタナがまた別の曲を始めてしまうということが1時間近く続きました。まさにキャリアを代表するグレイティスト・ヒッツ的な内容でしたが、若いファン向けには『スーパーナチュラル』の「マリア・マリア」等もやりました。カルロス・サンタナと結婚ほやほやのシンディー・ブラックマンには特別なドラム・ソロ・コーナーが与えられていましたよ。シンディーは今、51歳か52歳ですか? とてもスレンダーな体型ですよね。

●昨年の今頃、中国・台湾ツアーが実現しなかった件については大きく報道されましたが、2年前にも少なくとも1回は計画があったもののつぶれています。大陸の共産主義の政府にはボブに歌って欲しくない歌があって、それでツアーが実現しなかったという噂です。

 特に昨年に関しては理由それだけではないのですが、真相は分かりません。大陸の政府は理由を一切明らかにしませんからね。俺達には俺達のルールがあって、それに則ってやってるだけだ、という態度なのです。噂によると、欧米のミュージシャンが大陸でコンサートを開催する場合、政府と交わさなきゃいけない約束の中に「中国人民の気持ちを傷つけないこと」という条項があるらしいのです。どうとでも解釈することの出来る極めて曖昧な言葉ですよね。これもまた聞いた話なのですが、大陸の政府が求めているのは、あれを歌うな、これを歌うなということではなく、どの曲を歌う予定なのかあらかじめ届け出ろということらしいです。コンサートがその通りに行なわれたのかどうか、コンサートの時、もしくは後からチェックするのかもしれません。共産主義政権はどのようなことについても、何も明らかにしませんけどね。もし「Blowin' In The Wind」がアメリカの公民権運動や反戦運動で歌われたアンセム的な歌として政府から嫌がられていて、実際に大陸で歌われなかったとしたら、中国のファンは昨日の台北公演のセットリストを見てうらやましく思うでしょう(笑)。(後日談:4月6日の北京公演と8日の上海公演では「Blowin' In The Wind」は演奏されなかった。)でも、事前にセットリストを提出するくらいだったら、嫌がるアーティストはいないと思います。ボブだって、そんなこと嫌とも何とも思わないでしょう。

●昨年、ツアーが実現しなかったのは台湾・中国エリアを仕切る予定だったプロモーターが、あまりに強欲だったからと聞きました。

 そうです。おかげでブローカーズ・ブラザーズ・ヘラルドは、台湾はもとより大陸の方でもたくさんの敵を作りました。彼等は自分たちが金額を吊り上げて目茶苦茶にしたくせに、民主化運動でピリピリしている中国政府の検閲のせいだという声明を出したのです。

目 全文はこちらの.pdfファイルをダウンロードしてお読みください→ 目 Taipei.pdf

pdfファイル75行目
(誤) なしでた。→(正) なしでた。

pdfで訂正するにはどうしたらいいのでしょう? どなたかお知恵を貸してください。
posted by Saved at 16:20| Comment(0) | TrackBack(0) | Bob Dylan | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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