タルサ国際空港からダウンタウンまで、タクシーで40ドル+チップ(2025年2月時点)。バスもあるのですが、初めての人間にはどう利用していいのかわかりません。ダウンタウンに宿を取れば、ボブ・ディラン・センター、ウディー・ガスリー・センターは徒歩で行けます。流しのタクシーは殆どいません。東京と比べたら、人も車も殆どいません。荒れ果てたゴーストタウンではないのですが、コンビニやスーパーは殆どありません。安いホテルもありません。私が泊まったハイアット・リージェンシーは1泊2万円(私なんか、5000円くらいの安宿でいいんですけどね。事情通の方、情報をください)。しかし、ハイアットだけあって、帰りの際に、空港までホテルのタクシー無料サービスを利用することが出来ました。何時でも車を出してくれます。ドライバーにチップはあげましたが…。
さて、センターの話に移りますが、シニアは60歳からではなく、55歳以上なので申込の際にはお間違えなく。会場に一度に入れる人数は125名(128人だったっけかな?)までという制限があるようですが、余程のことがない限りそこまで混雑することはありません。入場申込の時間は30分ごとに区切られてますが、いったん中に入ってしまえば、好きなだけ滞在できます。入場の際には大きなカバンは地下のロッカーに預けさせられます(無料)が、スマホの持ち込みと写真撮影はうるさいことは言われません。ロビーでタブレットとヘッドホンを借りて中に入ると、まずは15分程度のビデオを見ます。これには特に珍しいものは含まれてなかったように思います。
次の部屋にある展示は、音楽に出会った頃から現在までのボブのキャリアを鳥瞰したものですが、訪れた人がネット上に載せた写真等から判断すると、展示は時々変わるようです。私が行った時は曲の成り立ちに関するものが多かったです。
センターは歌詞のメモを大量に収集しているのですが、完成した〈Jokerman〉のどの部分がどの時点で出来たものなのか、重層的に説明したのがこれです。
歌詞の変遷については〈Tangled Up In Blue 〉も取り上げられていますが、この曲についてもっとビックリの展示がありました。セッションに参加したケヴィン・オドガードが使ったマーティン・ギター…ではなくて、その隣にあった紙切れです。この曲は当初はキーがGだったのですが、違和感を抱いたオドガードが調子ぶっこいてAにしようと提案したところ、ボブが変な顔をしました。その時、オドガードは、分不相応の生意気なことを言っちまったと悟り、スタジオから退場させられることを覚悟したのですが、他のミュージシャンたちがウンウンと頷いて援護してくれたので、ボブは提案を受け入れた、という超冷汗もんの瞬間があったそうなのです。この紙切れはその証拠の品です。キーを1音高めるメモが記されてます。
この瞬間の詳しい話はこちらの本で:

A Simple Twist of Fate: Bob Dylan and the Making of Blood on the Tracks - Gill, Andy, Odegard, Kevin
著作権登録用の楽譜もいくつか展示されており、私が特に面白いと思ったのが〈Not Dark Yet〉です。この曲は4拍子と6拍子が繰り返されてるのですが、流れがあまりにスムーズなので、楽譜を見るまで私はこの変拍子に気がつきませんでした。
いちばん驚いたのがゴスペル期のビデオです。1980年11月15日のサンフランシスコ公演で、マイク・ブルームフィールドが飛び入りして〈The Groom's Still Waiting At The Altar〉を演奏してる決定的な瞬間を会場の2階席から撮影したもので、撮影者はボブが少年時代に暮らしたダルースの家、ヒビングの家を購入・修復していることで有名なビル・ペイゲルさんです。
その隣には《World Gone Wrong》で録音されながらレコードには未収録だった〈I've Always Been A Rambler〉の試聴コーナーもありました。入り口で渡されたタブレットを丸い部分に近づけると聞くことが出来ます。
紹介し忘れましたが、これがタブレット↓:
エルヴィス・コステロもセンターに協力しており、1階奥のほうには、ボブを理解するためにコステロが選んだ曲がジュークボックス形式で聞くことができるようになってました。
1階の隅にはボブ関連書籍の閲覧コーナーもありました。その近くの階段を上るとテープの箱やレコード・ジャケットの校正用紙やボツになったデザインの展示がありました。特に面白かったのが、《Slow Train Coming》のボツになったジャケット・デザインいくつか。
そして、おぉぉぉぉぉぉ!度の高いものが《Shot Of Love》のボツになった裏ジャケの色校です。"Searching For A Gem"等のサイトに掲載されてる画像だと細部まで見ることは出来ませんが(ブラジルの初回盤のみ、この自動車ジャケだったそうですが、私は持ってません)、色校の現物の自動車のナンバープレートの部分をよく見ると「666」という反キリストの数字が見えます。ちなみに、この数字はボブのアイデアだったそうです。
20人ほど入れるビデオの上映コーナーではこんなものが見れました。
現在、1966年にDA・ペネベイカーの撮影隊が残したフィルムを最新の技術でリマスターするプロジェクト「VISIONS OF '66」が進行中で、そのサンプルとして〈It's All Over Now, Baby Blue〉の演奏シーンが見れるのですが、旧画像と比べると肌のツヤとか全然違いました。
そして、凄く気になるのがこのドアの向こう。こちらはアポがないと入れない場所のようです。
入り口でタブレットとヘッドホンを渡される際、係の女性から「全部を聞く必要はないからね」と言われ、適当にスキップしながら聞いてても、滞在時間はゆうに3時間は越えました。ものすごい情報量のミュージアムです。ボブ・ディラン・センター、ウディー・ガスリー・センター、そして、リオン・ラッセルのチャーチ・スタジオ等、音楽ファン必見のスポットのあるタルサは、死ぬ前に1度は行くべき重要な都市になりました。

ボブ・ディラン 裏切りの夏 - イライジャ・ウォルド, 高波創太

「ジューダス!」ロック史上最も有名な野次: マンチェスター・フリー・トレード・ホールに至る道 (ロックンロール叢書) - CP・リー, 加藤正人

ボブ・ディランの詩学 - 大八木敦彦
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