2012年11月14日

NY Rock'n'Roll Life【2】KISSの3回目のリハーサルに行ったぜ

 〈デュケイン・ホイッスル〉のPVで、夜の街をうろつくボブ親分の取り巻きの中に、なぜかKISSのジーン・シモンズ風の人がいますが、【ビンキー・フィリップスのニューヨーク・ロックンロール・ライフ】第2回はこれとは全く関係ありません。



 ビンキーはポール・スタンレーと同じハイスクールに通い、KISSがKISSと名乗る前のバンド黎明期の姿を目撃している他、KISSとして初のコンサートの前座を務めたり、デモテープの制作に協力したりしています。〈コーリング・ドクター・ラヴ〉のデモではビンキーがギターを弾いており、KISSの未発表曲のひとつ〈Rotten To The Core〉のデモにも関与しているようです。この2曲のブートレッグはリリースされているのでしょうか? ご存知の方、是非情報をお寄せください。(下の「記事本文を読む」をクリック↓)

  


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2011年04月15日

ホワイトスネイク『ライヴ・アット・ドニントン 1990』遂にリリース

 今となっては私がヘヴィーメタル系のフェスティヴァルに行くことなど考えられませんが、1990年前後にはとにかく海外で(本場で)コンサートを見たいという気持ちがあり、毎週洋書店でチェックしていたTIMEOUT誌にモンスターズ・オブ・ロックの告知が載ったので、チケットをメールオーダーで取り寄せて見に行ったのです。郵便局で国際為替を作って送ったのと同時に、それとは別便でチケットが欲しいという旨の手紙と国際返信切手券2枚、自分の住所を書いた返信用封筒を送りました。当時、為替と手紙を同じ封筒に入れて送ることが出来なかったため(現在でもそう?)、チケット係の人にこの別々の2便を上手く見つけてもらえない可能性も十分に考えられ、祈るような気持ちだったことを今でも覚えています。ローリング・ストーンズとポール・マッカートニーの東京ドーム公演が全部終了し、花粉症の症状が酷い時期だったという記憶もあります。
 チケットは暑い季節になってから無事届いたものの、問題はロンドンから会場のドニントン・パークまでどう移動しようかということでした。しかし、7月にローリング・ストーンズのロンドン公演を、同じようなやり方でチケットを取り寄せて見に行った際(キースが指を怪我したためキャンセル--これにも長い話があります)、オックスフォード・サーカスのチケット屋で、ロンドンと会場を往復してくれるバスの券を売っているのをたまたま見つけ、それを購入したので即解決です。フェスティヴァルの当日午前7時にヴィクトリア駅の横あたりに集合して乗車、ドニントン・パークの駐車場にはゲートが開くのとほぼ同時の10時半頃に到着、そして、全ての演奏が終了した瞬間からぴったり1時間後に帰りのバスが出発し、ロンドンのヴィクトリア駅には午前3時頃到着という具合でした。チケットは£20、バスは£30だったと思います。whitesnake.jpg
 モンスターズ・オブ・ロックは毎年春頃にその年のヘッドライナーが決定し、夏までに残りの出演者が次々に決まって行くというパターンでしたが、チケットを申し込む際にはホワイトスネイク(トリ)だけでなく、エアロスミス、ポイズン、クワイアボーイズが発表になっていたと思います。開場に着いて、午後2時に最初のバンドが登場した時に、サンダーも加わったことを知りました。
 最初のほうに登場する新人バンドはブーイングをされたり、ゴミを投げられたりという試練を受けてるのがモンスターの習わしだったようですが、当時のメタル/ハードロック界はアメリカ勢が優勢だったので、サンダーやクワイアボーイズはイギリスから久しぶりに登場した本格派のハードなバンドということで極めてあたたかく迎えられていました。
 ポイズンが登場すると、女の子達が大挙して前の方に移動するのと同時に、男達が「ファッキン・ヤンキー、とっとと帰れ!」と野次り、ビールのタンクやミネラルウォーターのボトルが宙を飛び交い始めました(中身は必ずしもビールや水ではなく、小便が入ってることも…これもモンスター恒例らしい)。結局、ポイズンのセットは、前後左右からの飛来物に注意しながらステージを見なければならないという、一番気が抜けない時間だったという記憶があります。幸い私は小便入りボトルの洗礼は受けませんでしたが、飲み残しのビールの入ったコップが後ろから飛んで来て背中にぶつかりました(涙)。
 エアロスミスもポイズンと同じくファッキン・ヤンキーなバンドなのですが、1970年代から活動している老舗だからということでしょうか、リスペクトを持って迎えられていました。しかし、イギリスで人気が出たのはジョー・ペリーが復帰した2作目『パーマネント・ヴァケイション』以降のようで、「Dude」や「Love In An Elevator」といった曲では大合唱でしたが、「Toys In The Attic」等の往年の名曲では皆静かという興味深い現象が起こりました。当時、あまりコンサート活動をやっていなかったジミー・ペイジが「Train Kept A-Rollin'」で飛び入りした時には、ドニントンまで来た甲斐があったと実感。ジミーがカヴァーデイル/ペイジ、ペイジ/プラントといったプロジェクトで日本に来たのは、それぞれ3年後、6年後のことです。
 当然、トリのホワイトスネイクも盛り上がり、デヴィッド・カヴァーデイルが「1983年を思い出せ!」と叫んでオーディエンスをあおっていたと思います。この時のモンスターはBBCのFMで生中継されていたのですが、デヴィッドはそれを知ってて「BBCがオレたちに言って欲しくない言葉は?!」と言うと、オーディンスが「ファック!」と叫び返すなんていうコール&レスポンスが何度も行なわれました(笑)。生中継とはいえ、出演者がいつもの調子でつい放送禁止用語を発してしまう危険を踏まえて、会場の様子は数秒遅らせて電波に乗っていたそうですが、この部分は「ピー」が入ったのでしょうか? この放送を収録したとおぼしき海賊盤CDを私は買いそびれてしまったので、ここがどうなってるのかわかりません。ご存知の方は是非教えてください(エアロスミスのセットのブートCDは持っています)。
 アメリカのメタルが全盛の1987年にホワイトスネイクが発表した『Serpens Albus』を聞いた時には、イギリス臭さがぷんぷん漂い、「これこそハードロックの正統派が作ったアルバム!」と感じたものですが(それ以前のホワイトスネイクのアルバムと比べるとかなりアメリカナイズされているので、私の印象は極めて的外れです)、フランク・ザッパ系の新感覚派ギタリスト、スティーヴ・ヴァイを迎えて作った『Slip On The Tongue』は、正直、ミスマッチと思いました。アルバム及びこの時のツアーは、ベテラン・ミュージシャンが集まったものなので、一定以上のレベルをキープしていたでしょうが、名盤、名ツアーにはほど遠いものとして、今の今まで忘れていたほどです。
 しかし、今日、急に思い出したのは、この1990年モンスターズ・オブ・ロック公演がDVD化されると知ったからです。海外まで見に行ったヘヴィーメタルのフェスティヴァルとして良い思い出のライブではありますが、私の中では『Serpens Albus』のほうがインパクトが強く、アマゾンの解説に書いてあるほどの歴史的名演だったという記憶はありません。ホワイトスネイクの演奏よりもむしろ、セットチェンジ間のBGMとしてステイタス・クオーの「Rockin' All Over The World」が流れると会場が大大大合唱になったことや(これこそブリティッシュ!)、クイーンの「We Will Rock You」の時には、あのリズムに合わせて数万人で“パン、パン、ハッ”の手拍子をやったこと、帰りのバスの中が超ビール臭かったことのほうが、記憶が鮮明です。とはいうものの、思い出を再確認したくなって『ライヴ・アット・ドニントン 1990』の注文ボタンを思わずポチっとしてしまいました。5月20日の発売が楽しみです。
 この頃の私はストーンズとかモンスターズ・オブ・ロック(91年モンスターはミュンヘンで見ました)とかガンズ&ローゼズとかを見に海外遠征をしていましたが、ボブ・ディランを見てないのは情報が全く手に入らなかったからです。ボブの場合、コンサートが行なわれる前にその情報が入って来た最初のものは、92年10月にマディソン・スクエア・ガーデンで行なわれたデビュー30周年記念コンサートなのですが、93年夏のツアーは、グレイトフル・デッドを見にオレゴン州ユージーンまで行った際、会場のオーツェン・スタジアムの中で隣の人から「今日はボブ・ディランはポートランドでコンサートをやってるんだよね」と教えてもらうまで、全く分かりませんでした。デッドのほうが、テレホンサービスやメールオーダーのシステムが確立されていたので、情報は入手し易い状態だったのです。
 しかし、90年夏にイギリスに行った際に発見したのがISISというボブ・ディランのファンジンです。最新ニュースや全コンサートのセットリスト、海賊盤の内容などが載ってるISISは、これこそ私の探し求めていたものでした。ヴァージン・メガストアに置いてある最新号とバックナンバー全部を1冊ずつ購入し、帰りの飛行機の中で寝ないで熟読したことは言うまでもありません。

   
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