今回の話は、前半ではヴァン・ヘイレンが間接的に、後半ではイギー・ポップとレイ・マンザレクが直接的に登場します。ヴァン・ヘイレンが華々しくデビューした陰で、ビンキーは非常に悔しい思いをしていたのです。 ヴァン・ヘイレンで思い出しましたが、ドゥイージル・ザッパの初シングル〈My Mother Is A Space Cadet〉(1982年)をプロデュースしたのはエディーで、イントロでスライド・ギターを弾いてるのもエディーらしいです。当時は契約の関係でひた隠しにしておかなければいけなかったそうですが、最近ではドゥイージル(2008年にザッパ・プレイズ・ザッパで初来日した際に、横浜Blitzの楽屋でそう話していました)とエディー双方がこの話を解禁しています。
後半のレイ・マンザレクとイギー・ポップの話に登場するダニー・シュガーマンは、1970年代にドアーズ好きが高じてバンドのマネージャーになり(もちろん、ジム・モリソンの死後)、その後、イギー・ポップのマネージャーだった時期もあるようです。ジェリー・ホプキンスとの共著で『No One Here Gets Out Alive』というジム・モリソンの伝記を書き、オリヴァー・ストーン監督の映画『ドアーズ』にも関与し、1991年には『Appetite for Destruction: The Days Of Guns N'Roses』というガンズ&ローゼズの本も出していますが、肺ガンを患い2005年に亡くなっています。
私はパンクは趣味ではないですが、セックス・ピストルズのオリジナル・ベーシスト、グレン・マトロックとは電話でお話しをする機会がありました。映画『NO FUTURE: A SEX PISTOLS FILM』が公開され、グレンがソロ・バンドを率いて来日公演を行なう数ヶ月前というタイミングだったと思うので、10年以上前でしょうか。グレンはこんなこと言ってました:
・(ビートルズ・ファンだということがバレてピストルズをクビになったという噂について)話を面白くするためのウソ。どうしてもジョニーとウマが合わなくて、レコーディングの時点でオレが脱退して、シド・ヴィシャスが加入することが決定していた。レコード会社からも脱退して新バンドの結成をすすめられていた。シドにはオレやレミー(←もちろんモーターヘッドの)がベースを教えたんだ。 ・(ローリング・ストーンズやレッド・ツェッペリンは本当に嫌いだったのか?)60年代のストーンズは好きだった。ツェッペリンはファースト・アルバムは好きだった。でも、オレたちが活動を始めた頃にこうした連中がやってたことは大嫌いだった。ヤードバーズやスモール・フェイセスは好きだった。 ・(曲作りについて)「God Save The Queen」の“no future no future no future for you”の部分のメロディーはピアノを弾きながら書いた。 ・(映画『NO FUTURE: A SEX PISTOLS FILM』について)ジョニー中心の映画で、ピストルズの歴史を正しく反映したものとは思えない。気に入ってない。再結成にはビジネスと割り切って参加した。