2022年04月07日

日本語版登場『シーズン・オブ・ザ・ウィッチ ーいかにしてオカルトはロックンロールを救ったのか』

 2014年に下の記事で紹介した本の日本語版が出ました。

オカルト史観でロックを語る『Season of the Witch』著者インタビュー
http://heartofmine.seesaa.net/article/408594084.html

 


 イギリスの心理学者が元ブロンディーという経歴を持ち、アレイスター・クロウリーに関する本を書いた神秘思想研究家、ゲイリー・ラックマンにインタビューしてまとめた下の記事も紹介しましたが、ラックマンの『Dark Star Rising: Magick and Power in the Age of Trump』が『トランプ時代の魔術とオカルトパワー』というタイトルで翻訳されています。
 今、全世界がプーチンの頭の中を理解することが出来ずに困っている状態ですが、ウクライナ侵攻のしばらく前に出たこの本にそのヒントは書いてあるのかなあ?

どうしてロックはアレイスター・クロウリーを愛するのか
http://heartofmine.seesaa.net/article/433815718.html

  

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2020年01月31日

アレイスター・クロウリー、ジミー・ペイジの館の瓦礫、販売中

 ビートルズの《Sgt. Pepper's》のジャケットにも登場している20世紀最大の魔術師、アレイスター・クロウリーが住んでいた館で、ジミー・ペイジが1970〜92年まで所有していたことでも有名なボレスキン・ハウスは、2015年に火災で半分以上が消失して以来、荒れ放題。



 しかし、最近、ここを再建しようということでボレスキン・ハウス基金が立ち上げられ、資金調達のために瓦礫をeBayで販売しています。レンガか何かの破片が1個£25〜40くらいの値段で、送料を入れてもせいぜい8000円程度なので、私も1口乗りました。

Boleskine House Foundation SCIO
https://www.charity.ebay.co.uk/charity/Boleskine-House-Foundation-SCIO/3771400



 ということで、届いたのがこれ。湿ってるので、現在乾燥させてるところです。

bokeskine.JPG



当ブログでのクロウリー関係の記事

オカルト史観でロックを語る『Season of the Witch』著者インタビュー
http://heartofmine.seesaa.net/article/408594084.html

どうしてロックはアレイスター・クロウリーを愛するのか
http://heartofmine.seesaa.net/article/433815718.html

クラウドファンディングで実現した本『ロックミュージックのオカルト的背景』
http://heartofmine.seesaa.net/article/457913678.html


   
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2018年03月13日

クラウドファンディングで実現した本『ロックミュージックのオカルト的背景』

 昨年秋頃からクラウドファンディングでヨハネス・グライナー著『ロックミュージックのオカルト的背景』の翻訳出版の資金を募集してたので、1口3,000円分乗りました。サブタイトルが「アレイスター・クロウリーと深淵からの獣の浮上」なので、ロックとオカルト、クロウリーが大好きな私が読まないわけにはいきません。一般書店には置いてないそうですが、クラウドファンディングには間に合わなかった人も、出版元のSAKS-BOOKSから直接購入することが出来ます。

オカルト.png


 『ロックミュージックのオカルト的背景』は、シュタイナーの研究者であるグライナーがロックとオカルトというテーマに取り組んだ論文で、アレイスター・クロウリーを西洋哲学の系譜の中に、その鬼っ子、悪性腫瘍みたいな存在として位置づけています(哲学の系譜に組み込んでもらえていること自体が画期的)。論文の中身を超大雑把に要約すると「ロックはクロウリーを思想的な祖に持つゆえ、ロックを愛好する現代人はエーテル体が危機に瀕している」です。シュタイナー研究者にとっては当たり前の用語なのでしょうが、私のようなシロウトには、エーテル体だのアストラル体だのが出てきても、よくわかりません。訳者によるたった5行の脚注では足りません。「詳細はシュタイナーの『神智学』を参照のこと」だそうです。はい、わかりました(この本を読んでも理解出来るかどうかはわかりませんが…)。
 そして、最後の締めくくりが「この病を癒す薬は、何処に有るのでしょうか。この現状を打破する代替案は、何処に有るのでしょうか」です。エーテル体が危機に瀕している典型的な現代人の私の不安を煽るだけ煽っといて、疑問で終わってます。まさに尻切れとんぼ状態。シュタイナー教育の人でも、今のところ、ロックのせいで生じた深刻な「エーテル体の危機」を救うすべはないようなのです。『訳者あとがき』によると、著者本人が講演原稿に手を加え続けていて未完の状態であるのを承知して、この論文を翻訳したらしいのですが、だとしたら、「癒す薬」「代替案」についてもう少し著者の考えがまとまった時点で紹介して欲しかったなあ。時期尚早感がパないです。私の想像ですが、グライナーはこうした問題を抱えている現代人の心・精神・霊的な何かを治したいという立場の人なのでしょうに。
 そもそも、不思議な構成の本なんですよ、これ。全部で約200ページなのですが、タイトルにもなっているグライナーの論文が最初の70ページ、「訳者による解説と補足」という但し書き付きで竹下哲生の『近代と現代の分水嶺としての十九世紀』が約70ページ、残りが『深淵の獣の行方』と題した、竹下と現代フランス哲学の研究者でロックも大好きな柿並良佑の対談となっています。で、2番目の『十九世紀』が、それほどグライナー論文の解説にも補足にもなっていないどころか(だって、私に必要な解説はエーテル体のことだもん)、これはこれで独立した文として発表していいほど、面白い視点で刺激的に書かれている近〜現代の西洋音楽史なのです。3番目の『行方』対談も、グライナーのオカルト論文の解説というよりは、非常に興味深い、中高年には書けない鋭い内容の現代日本文化・文明論になっています。どちらも「解説」「補足」などという一段低い地位に甘んじる必要のない立派な内容です。はっきり言って、本の看板ではあるものの、「さて、レッド・ツェッペリンは----確認出来る範囲で----最初にリバース・スピーチ(逆再生メッセージ)を使用したアーティストだと言えます」とか、ちょっとボケたことが書いてあるグライナー論文など(ビートルズの〈Rain〉は確認範囲外だったのか?)、なくても通用する本ですよ。なので、グライナー論文をヨイショする必要性など、私には全く感じられません。何の根拠もない私の妄想ですが、本当は『十九世紀』と『行方』を発表したかったんだけど、シュタイナー系の出版社を説得するのにグライナーを取り上げなければならなかったという大人の事情でもあったのでしょうか?


   


本ブログのロックとオカルト関係記事:

・オカルト史観でロックを語る『Season of the Witch』著者インタビュー
http://heartofmine.seesaa.net/article/408594084.html

・どうしてロックはアレイスター・クロウリーを愛するのか
http://heartofmine.seesaa.net/article/433815718.html

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