2016年05月26日

頭文字(イニシャル)Bにマイクを貸したオジサンに会った

 同じ町に住んでるオジサンの口からあらぬ話が飛び出してきたので、おいしいインドカレーで買収して、ちょっと詳しいことを聞き出しました。
 数年前に豆腐の味噌汁やボクシング・ジムの話が漏れてきたチャンネルは、今回は閉じちゃっていました。

頭文字(イニシャル)Bにマイクを貸したそうじゃないですか。

 ええ、まあ。

この業界、口が軽い人は好かれないでしょう。私なんかに話したが最後、放送局ですから、ニュースとしてネットやファンジンに掲載されますよ。箝口令とか出てないんですか?

 特に出てません。

なかなか高級なマイクだそうですが、そういうのを集めるのが趣味なんですか?

 プロ用の機材を扱う会社に勤めてるもんで、サンプル用に置いてあったものを社販で割り引き価格で買えたんです。ああいうマイクを1本持っててもいいかなあと思って。

どういう縁でマイクを貸すことになったんですか?

 FOHを担当してるテックから、コンサートで使ってみたいのでマイクを借りたいって、社のほうに連絡があったんです。sE Electronicsって会社のGemini IIとZ5600a IIって指定されてました。前者は社にストックがあったんですが、後者はなかったので、たまたま持ってた私物を宅配便で送りました。

sEs.jpg

(頭文字Bに貸したGemini IIとZ5600a II)


これはどういう種類のマイクなんですか? 前回のスタンダード曲集のレコーディングではノイマンU47を使ったようなんですが。

 それはヴォーカル用の定番ですね。今回貸したマイクもヴォーカル用に適したコンデンサー・マイクなんですが、Geminiのほうは非常に特殊で、ボディーの中に真空管が2本入ってるんですよ。Z5600aは1本なんですが。

ヴォーカル用のマイクとして借りたんでしょうか? でも、コンサートを前の方で見た人の話によると、いつもの黒いダイナミック・マイクを使ってたようです。

 スタンダード・ナンバーを歌う時に使いたかったそうなんですけどねえ。それじゃあ、使わなかったのかあ。返却されるのと同時に、マイクは超いい音してたんだけど、バンドの音が大きくて使えなかったってメールが届きました。

マイクは普通に返却されただけなんですか?

 特にサインがしてあったとかはありません。[頭文字(イニシャル)Bが]実際に使ったかどうかもわかりません。

sE Z5600a.jpg

(返却直後に撮影されたZ5600a)


レンタル料とかは発生したんですか?

 少し期待してたんですけど、結局、うやむやになっちゃいましたねえ。みんな、もうとっくに日本を離れちゃいましたし。

他に何かこぼれ話はありませんか?

 ツアーに同行した音響さんの話によると、頭文字(イニシャル)B以外、バンドのメンバー全員がRupert Neve Designs「RNDI」を使ってたそうです。我が社が扱ってる製品なので鼻高々です。


   


ラベル:sE Electronics
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2015年04月18日

Lost Intruders アルバムをリリース

 去年の今頃、日本全国のボブ・ディランのコンサート会場にギターを持って現れていたオジサンが、Lost Intrudersというユニットを組んで、アマゾン経由でオリジナル曲のリリースを開始したことを、先日ここで報告しましたが、今度はアルバム『Albergo Abbandonato』をリリースしました。タイトルを日本語に訳すと「廃墟のホテル」?

 
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2015年03月29日

インド盤を求めてリキシャに揺られ

 今年の元旦の新聞に掲載されていた「HIS初夢フェア」の大広告の中で「ニューデリー5日間49,800円」という商品が目に入ったので、思いきって申し込み、人生初のインド旅行に行ってきました。実質的には、1人部屋料金や空港使用料等がプラスされましたが、それでも合計金額は70,000円ほど。飛行機の深夜発着に合わせて、デリーの空港/ホテル間の送迎付き。2日間は東京/ニューデリー間の移動に費やされてしまいましたが、現地で丸3日間自由に過ごすことが出来るスケジュールだったので、結構お得なツアーだったと思います(この意識が、ちょっとくらいぼったくっれてもいいやという考えにつながったことは、言うまでもない)。
 毎年チェンナイで数カ月過ごし、日本に帰ってきたら南インドの音楽や食、文化を紹介するイベントを主催したり、本を出版する活動をしている人や、インド各地をバイクで移動してステキな写真を撮り続けている人と比べたら、私の旅行などインドの足の小指の先っちょをちょっとかすった程度のものですが、『地球の歩き方』などのガイドブックには書いてない情報を持ち帰ったので、ちょっとここで記しておきたいと思います。インド盤レコードなど興味がない方も、旅先での失敗談こそ最大のお土産という視点から、私のぼったくられ具合を笑っていただけたら幸いです。

 湯浅学著『アナログ・ミステリー・ツアー世界のビートルズ1962-1966』で《Rubber Soul》はシタールの音が違うと紹介されて以来、インド盤が一部の変人の間で静かなブームになっていますが、日本で手に入れようと思うと、殆どない偶然の好機に出会えるよう足繁くレコード屋に通うか、eBayに出品されたものを落札するしかありません。後者が一番楽なので、この本を読んで刺激されて以来、《Rubber Soul》《Revolver》《Sgt. Pepper》《Rarities》《Let It Be》など、シタール等、インドの楽器が使用されているものを中心にいくつか入手しましたが、全てイギリスかハンガリーの業者かコレクターから1枚20ドル前後(プラス送料)で購入しており、直接インドから買ったことはありません。
 海外でロック・コンサートを見るついでに現地のレコード屋を回ってたくさんレコードを買うのは、世紀の変わり目が来る少し前、自宅のレコード棚が飽和状態になったのを機にストップしましたが、今回は初のインドということで、デリーの中古市場がどんなものかを調査するために、ちょっと探検してみることにしました。
 ネット配信の時代となり、CD屋ですら激減している時代にもかかわらず、「In Search Of Old Vinyl Records in New Delhi」というページでは次の中古レコード屋4軒が紹介されています:

SHAH MUSIC CENTER
YASEEN MUSIC CENTER
NEW GRAMOPHONE HOUSE
ANTIQUE VINYL RECORDS


もちろん、この4軒全部を回るつもりでいましたよ。現地に着くまでは。
 このページに載ってる最初の2つは、ジャーマー・マスジッドという有名な回教寺院の裏にあるミーナ・バザールという一角にあるようなので、まずはここに行くことに。しかし、一番近いタンドニ・チョーク駅に着いて地上に出てみたら、入り組んだ細い路地に人がウヨウヨ。この路地は狭すぎて、Goodle Mapでは詳しく表示されず、自分がどこにいるのかすらわかりません。とにかく、人の流れについて行くと、自動車やリキシャが往来出来る道に出ましたが、自分がどこにいて、どっちの方角にいけばいいのか、地図片手でも全くわかりません。道路は人と自動車とリキシャでごったがえしていてカオス状態。この時点で既に泣きそう(マジで)。


大きな地図で見る

 太い道に出てからずっと私に目をつけ、左側をしつこくついてきて「オレの車に乗れよ」と英語でアピールしてくるサイクル・リキシャがいたので、「ミーナ・バザールに行きたいが、どっちの方向?」と質問すると正確な方向を教えてくれましたが(後で確認したらそうだった)、道路は気の小さな旅行者は立ち往生するしかないほど、人と自動車とリキシャで混雑しており、こんな時に脳裏に浮かんだのが、どこかの本で読んだ言葉。「1人で苦労するより、金にものを言わせてリキシャに乗っちゃったほうが楽だよ」
 サイクル・リキシャに乗ったら、今度は遊園地のジェットコースター並にスリリングなドライブが待っていました。デリーでは歩行者も車も、自分はちょっと待って他人を先に通してあげようという精神が皆無です。電車の駅でも、ドアが開いたら降りる人が降りるのを待たずに人が乗り込んできますが、道路上でもそれをやります(日本にマナーを学びに来い!)。少しでもスペースがあったら、車はそこに突っ込み、自分の進行を妨げる奴に対してクラクションをビービー鳴らしながら「邪魔だ、どけ!」(私はヒンディー語はわからないが、たぶんこの意味だと思う)と叫びます。向こうから車が来るのに、前の奴を追い越そうと対向車線に飛び出し、ギリギリのところで衝突を回避なんてヒヤヒヤなシーンも少なくありません。私が乗ったのはサイクル・リキシャなのですが、超ガタガタの道を必死にペダルをこいで進むドライバーのオジサンのリキシャ魂に感動半分、もう少し安全運転してよと泣いて訴えたい気持ち半分で乗ってると(私の基準で言う安全運転をしていると、インドの狭い道では前に進めない)、リキシャ・マンは「ここがなんとかマスジッド」「ここがなんとか病院」と観光ガイドもしてくれます(彼の頭の中のメーターでは料金が加算されてたはず)。

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[リキシャの席から見えたのはこんな光景]


 そんなこんなで、20分くらい(?)でミーナ・バザールに到着しましたが、リキシャ・マンは親切なことに目当てのレコード屋を一緒に探してくれるじゃありませんか。何と心強いことか!(さらに脳内料金メーター加算) このブロックは機械の部品等を並べてる小さな店がたくさん集まってるところで、日本で言うと、秋葉原駅の近くにある小さな部品屋が集まったあの建物みたいな感じです。電動ドリルの刃の店がそれこそ数十軒はありました。観光目的で来る外国人はいないでしょう。リキシャ・マンはそこにいる人に現地の言葉でレコード屋のありかを訊いて、ついにSHAH MUSIC CENTERを見つけてくれました(彼は「シャー」なくて「サハ」と発音してました)。

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 店内はレコードが雑然と横に積み上げられているだけで、まったく整理されていません。「ビートルズやボブ・ディラン、イギリスやアメリカのロックのインド盤レコードが欲しい」と言うと、中のお爺ちゃんが山の中から適当に20枚ずつくらいレコードをカウンターのところに持って来て、「中から探せ」の状態。どのレコードもジャケットはボロボロで埃だらけ。日本のレコード屋ならDランクか、廃棄処分するようなものばかりです。リキシャ・マンもレコードがインド盤かどうかの確認作業を手伝ってくれます(彼の脳内料金メーターはどんどん加算)。こんな調子で最初の200枚ほどを見た時点で、太った店長らしき人が来て、ひとこと「それじゃ、みんなでチャイでも飲もうか。(5〜6歳と思しき小僧に)おい、買ってこい」 ということで、1杯ごちそうになりながら、レコード探し後半戦。ビートルズのレコードはわずかしかありませんでしたが、ポールのソロは10枚ほど見かけました。ストーンズの《Through The Past Darkly》もありましたが、ジャケットの中には別のアルバムが入ってました。トホホ…。
 ポールやベンチャーズ、エリック・クラプトンなどを中心に20枚くらい選んだところで、「ところでいくら?」と訊いてみると、「1枚800ルピー」との回答。例のページには1枚150〜300ルピーって書いてあったので、ここ数年で倍以上の値上がりです。ゴミにしか見えないものに日本にして1,600円も払いたくないので(1ルピー=2.2円)、厳選して3枚に。それから店の奥の方に飾るように置いてあったピンク・フロイドの《狂気》も買うことに。

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 恰幅のいい体型の店長(ちょっとヌスラット似)が「これはなかなか出てこない超レアものだから高いよ。2500ルピーね」と言いながら、《狂気》を取ってくれました。以下、店長とのやりとり:

「ビートルズやボブ・ディランのレコードはありませんか?」
店長「ディランはモーニングなんとかってアルバムとプラネットなんとかってアルバムをeBayに出品したら、どっちも1万ルピー以上で売れたよ。ビートルズの78回転SP盤もあったなあ」
「それはスーパーな値段なんでしょ?」
店長「スーパー・デューパーな値段ね。eBayに出したら、ものの2、3日で10,000ルピーを超えて、最終的には凄い金額になったなあ」
「この地区に他にもレコード屋はありませんか?(Yaseen Music Centreのこと)」
店長「真向かいにあったけど、半年前に店じまいしちゃったんだ」

 ということで、最終的に買ったのは、ポール・マッカートニー&ウィングス《Band On The Run》、《Amiga》(この1枚だけなぜかドイツ盤)、ヴェンチャーズ《Golden Greats By The Ventures》、ピンク・フロイド《狂気》
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合計4,900ルピー也。あ、値切るの忘れてた----大失敗。

 外国での相場が知られているとなると、聖杯レコード(ビートルズのSP盤----話のネタに是非欲しい)を安く手に入れるのは不可能でしょう。私の心はここで折れました。他のレコード店を探す気力もありません。帰る際、さっきの小僧がバケツに手洗い用の水をバケツに汲んで持って来てくれました(チャイといい、やさしい心遣いです)。

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[デリー等の都市ではビニール袋の使用が禁止されているようで、この袋は化学繊維の布製です]


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[名刺]


 さ、美味しいカレーを食べて、とっとと帰ろう、と思いましたが、ここから先が長く、リキシャ・マンにあちこち連れて行かれた挙句(「友達の土産物店に寄ってってくれよ。中を見るだけでいいからさ〜」「レッド・フォートも見ていかないかい?」----レコード屋につきわせた負い目から全部OK。彼の脳内料金メーターはさらに加算)、最後に高額な料金を請求されることに(5,000ルピー----3,800ルピーにまけてもらったけど…)。リキシャ・マンは私がインドの相場をどのくらい知ってるか、どんな金の使い方をするか、財布にどのくらい残ってるか、じっと観察してたんでしょう。今、考えるに、向こうが金額を提示するのを待つんじゃなくて、こっちから「はい、どうもありがと〜」と言いながら、500ルピー札を出していたなら、1,000ルピーくらいで手打ちになったかもしれません。

 ちなみに、ここで見かけたけど買ってこなかったアルバム:

ビートルズ《Help!》ジャケぼろぼろすぎ
《Beatles '65》
エリック・クラプトン《EC Was Here》《Timeless》
ポール・マッカートニー《Band On The Run》
《Tug Of War》
《Red Rose Speedway》
《Speed Of Sound》
ジョージ・ハリスン
《Living In The Material World》
ジョーン・バエズ
ピンク・フロイド《ウマグマ》
映画サントラ《Saturday Night Fever》
ヴェンチャーズ いろいろ。《Golden Greats》はもう2〜3枚あった
ビーチボーイズ 《Surfin' Safari》
映画サントラ《Woodstock》ジャケ違い、1枚組×2
70年代後半ディスコ いろいろ
80年代ヒット系 いろいろ
オシビサ いくつか
エルヴィス・プレスリー
アイザック・ヘイズの何か(これは状態良かった)

 私のインド1日目の2/3はこうして終了しました。これからインドに行く皆さん、もっとうまく立ち回ってもっと賢い買い物をしてください。そして、帰国した際にはステキなお話を聞かせてくださいね。
posted by Saved at 11:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 業務連絡 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする