2017年10月09日

《Trouble No More》:予習(1) 1978年10月〜12月

 毎年恒例の高額箱物行政《The Bootleg Series》ですが、Vol.13となる今回は、数ヶ月前からの噂通り、ゴスペル期に焦点をあてたものとなりました。タイトルは《Trouble No More》で、CD8枚+DVD1枚の量です。これにプラスして、11月28日サンディエゴ公演を収めたCD2枚アルバムが、bobdylan.comで《Trouble No More》のデラックス・エディションをプレオーダーするともらえるのだとか。
 ローリング・サンダー・レビューの後、離婚して日本を含むワールド・ツアーをして、秋のアメリカ・ツアー中に天啓を受けてどうのこうのとか、それまでダサダサな音楽しかなかったコンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック(アメリカにはそういう音楽ジャンルがあるそうです)がボブのおかげでかなりレベル・アップしたとかは、以下の名著を読みましょう。

   

 今の段階では、数週間前に収録曲が公表されただけで詳しいことは全くわからない状態なので、約3週間後のリリースを前に、曲目表だけをざっと見てわかること、楽しみなこと、気になる点等をメモ程度にまとめてみたいと思います。《The Bootleg Series》の前回、前々回(ベースメント・テープス、1965〜66年スタジオ・セッション)は、現存するテープを古い順に並べたものでしたが、今回はいつものフォーマットに戻って、時間的順番はバラバラ。そこで、公表されてるデータをもとに、トラックを古い順に並べ直すという作業をやってみました。
1978年9〜12月 アメリカ・ツアー
D3-03. Help Me Understand (Soundcheck, Unreleased song 10-05-1978)
D3-01. Slow Train (Soundcheck 10-05-1978)
D3-02. Do Right to Me Baby (Do Unto Others) (Soundcheck 12-07-1978)

「D3-03」は「Disc 3の3曲目」という意味です。以下、そのように見てください。

 1978年のツアー中も新曲を書き続け、9月下旬のニューヨーク公演等では〈Love You Too Much〉を演奏し(この直後にEL&Pのグレッグ・レイクにデモテープをプレゼント----レイクの自伝にはこのこと書いてあるのかな?)、ツアー最終日である12月16日フロリダ州ハリウッド公演で、《Slow Train Coming》に収録されることになる〈Do Right to Me Baby (Do Unto Others)〉を披露していることが、音の記録として残っています。12月2日ナッシュヴィルではサウンドチェックの際に〈Slow Train〉が演奏されたことがわかっていますが(音質はよくないが、とりあえず音の記録あり↓)、今回のアルバムのおかげで、この曲の誕生が少なくとも2カ月前までさかのぼれることが判明しました(10月8日にオフィシャル筋によって先行公開↓)。

10月5日メリーランド州ラーゴ、サウンドチェック


12月2日テネシー州ナッシュヴィル、サウンドチェック


 このツアー中に書いた新曲としてタイトルのみが伝わってる曲には〈One More Year〉〈Take It Or Leave It〉もありますが、歌詞やメロディーといった詳細は(今のところは)不明です。
 ゴスペル期の話をするのに、なぜ1978年ワールド・ツアーのアメリカ編から始めるのかというと、途中からわずかに宗教臭がただよってくるからです。11月26日のヒューストン公演以後、最終日まで、〈Tangled Up In Blue〉の中盤では13世紀のイタリアの詩人の代わりに聖書の言葉を引用する女性が登場し、その引用箇所は毎晩即興で(←たぶん)次のように変化しています(該当のショウの全てがyoutubeにあるので、皆さんも聞いてみてください):

11月26日ヒューストン
マタイ33章3節

11月27日ジャクソン
エレミヤ3章1&33節

11月28日バトンルージュ
エレミヤ37章1&33節

12月1日メンフィス
エレミヤ22章1&33節

12月2日ナッシュヴィル
エレミヤ37章1&33章

12月3日バーミンガム
エレミヤ37章31&32節

12月5日モービル
エレミヤ37章22&33節

12月7日グリーンズボロ
エレミヤ37章1&33節

12月8日サヴァンナ
エレミヤ37章1&33節

12月9日コロンビア
エレミヤ32章1&33節

12月10日シャーロット
エレミヤ13章21&33節



12月12日アトランタ
エレミヤ37&38章29&33節

12月13日ジャクソンヴィル
エレミヤ10&20章21&33節

12月15日レイクランド
エレミヤ36章21&33節

12月16日ハリウッド
エレミヤ31章9〜33節

 翌年から本格的にゴスペル期が始まったことを考えると、ちょっと意味深です。この歌詞変化に先行して、11月17日のサンディエゴ公演で観客の投げた十字架のペンダントを拾うという出来事がありました(本人がこの1年後のコンサートでこう話している)。そして、11月24日のフォートワース公演ではディランは十字架のペンダント(拾ったものかどうかは不明)を首から下げているのを目撃されているのです。

 次回は《Slow Train Coming》レコーディング・セッションとその後のライヴ活動について述べます。


   
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2017年08月22日

ボブ・ディランのマッスル・ショールズ・セッション秘話

 次の《Bootleg Series》は1979〜81年の「ゴスペル期」に焦点を当てたものだということなので、ビックリするような音源がたくさんリリースされ、それに伴い、たくさんの新事実も明らかになることを首を長くして待っている今日この頃です。が、その前に、アラバマ州の話題を紹介するウェブページ、AL.COMにマッスル・ショールズに関する面白い記事が掲載されたので、ここで紹介します。そんなに大きいものではありませんが、私が知らなかったことだらけです。個人的に一番ビックリしたのが、《Slow Train Coming》の裏ジャケの人物が、実はボブではなくてゲイリー・ライトだったということです。この人、ジョージ・ハリスンとも親交のあったアーティストですが、もちろん、ボブのレコーディングには全く参加してません。私の知る限りでは、写真が使用されるまでは、縁もゆかりもなかった人だと思います。

   




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2017年07月24日

1966年マンチェスター公演チケット

 1966年5月17日、マンチェスター・フリー・トレード・ホール公演のチケットがeBayに出品され、£410(本日7/24のレートで約59,000円)で落札されました。当時の定価は最も高い席で£1。プラットフォームというのはステージ上の席です。

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 このコンサートに関する詳しいことは以下の本にて:

  
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