7月にシカゴで行なわれるグレイトフル・デッドの最終公演を、音楽ライターやテーパー仲間と一緒に見に行こうと企てた経緯を綴ります。1〜2月の様子をご存じない方は、まずは
こちらの前編をお読みください。
3月1日(日) AM 01:00(シカゴの時間で2月28日(土) AM 10:00) チケットマスターで一般発売開始。一緒に行く仲間4人で分担を決めてパソコンに張り付いたものの、私は2:30までこういう画面のままなので、諦めて寝る。9:00に目覚めたら、まだ同じ画面だった。他の3人も似たようなもので、全員玉砕。私の頭の中で鳴ってた曲:「I'm just sitting here watching the wheels go round and round♪」ただし、I really love to watch them rollではなかったが。
3月1日(日) チケットマスターと格闘中に、こんなメールが届く。あなたのグレイトフル・デッドにまつわるお話を聞かせてくださいという内容。チケットの当選メールかと思ったら違ってた。も〜、紛らわしいなあ。
3月1日(日) StubHubやeBayといったサイトではデッド祭り勃発。転売屋がいるのはアメリカでも同じで、私が3日(火)にのぞいてみたところ、単純計算で4000枚以上が出品されており、しかも驚いたことに、高額にもかかわらず多数の入札が入っている。シカゴの沙汰も金次第状態。デッドヘッズはいつからそんなに金持ちになったんだ?
グレイトフル・デッドを名乗るものの、今はもうジェリーのいない別のバンドなので、1,000ドルも2,000ドルも払いたくない。私にとってはせいぜい200ドルが限界。
3月1日(日) チケットマスター史上最多アクセス記録を打ち立てたらしい(50万アクセス)。
http://www.jambands.com/news/2015/03/01/demand-for-fare-thee-well-sets-ticketmaster-on-sale-record3月1日(日)〜 依然として、ハズレの手紙も当選メールも届いてない人が多数存在(私もそのひとり)。GDTSTOOに問い合わせのメールを送ると、「当選メールが届かなかった人には、為替が間もなく返送されます」というメッセージが自動返信されていた。この時点で私は8割諦め(2割の希望は持っていた)。
3月4日(水) ソルジャー・フィールドの駐車場は朝から開放するが、キャンプするのは許可をしない方針。
http://my.chicagotribune.com/#section/-1/article/p2p-82962355/3月上旬 チケット取れなかったデッドヘッズ大怒り! バンドやメールオーダー係やチケットマスター、StubHubやeBayに文句をたれる連中多数。
・チケットは転売屋にではなく、ファンに売れよ。
・手間隙と時間の無駄だった。結局、手数料ぼったくられただけだ。(手数料を受け取ったのはデッドの事務所ではなく郵便局だったってことは忘れずに)
・この事態をCORE 4(バンドの核となってる4人----ボビー、フィル、ミッキー、ビルのこと----『花より男子』のF4を思い出す)はどう思ってるのか? 彼らから何の声明もないじゃないか。
・昔ながらのメールオーダーの方法を取ったことは、最初はデッドヘッズのノスタルジーを刺激し、好意的に受け取られていたが(愛情のこもった封筒アートを作った人が多かったのはその証拠)、多くの人が手間隙かけて作った為替を送り返され、それを送り返されてない人の多くも、一般発売前に自分の当落がわからない状況になってしまったことで気分は一転。どうして普通に今時の売り方をないんだよ!というコンセンサスが形成される。(日本のジャニーズ事務所の当落通知システムを勉強すればよかったのに----これは0570から始まる番号に電話をかけさせ、情報料と称して10秒単位でいくらかをぼったくってるんだけど、当落がわからずずっとヤキモキしてるよりはかなりマシ)
・返信用の封筒の中に詫び状だけ入ってて、為替が入ってないという事故も発生しているらしい(極めて少ないケースだと思う)。
3月13日(金) シカゴ公演の前週にサンタクララ(マウンテンビューとサンノゼの真ん中へんなので、一応ベイエリアの範囲内)でもコンサートが計画されてるようだとの噂あり。
http://www.billboard.com/articles/business/6502151/source-grateful-dead-additional-fare-thee-well-dates3月上旬 デッド/プロモーターからの公式・非公式の言い訳
・とにかくこんなに多数の応募があるとは予想外だった。(競争率は10倍----嵐はいつももっとだよ)
・チケットマスターという業界最大手と交渉して一般発売を2週間遅らせ、出来る限りたくさんの人に当落情報を伝えるよう努力した。
・出来る限りたくさんの人が会場に入れるよう、何度も座席プランを変更してGAを増やした。
・デッド側はステージの後ろの幕についてステキなアイデアを持っていたようだが、プロモーターは幕を作らず、横や裏の席からもステージを見られるようにすることに決定(それだけ席を増やして、可能な限り多くの人が会場に入れるようにした)。
3月上旬 予想される最悪のシナリオ(負け犬の遠吠え)
シカゴに50万人のデッドヘッズが終結して大混乱。ショウ初日にチケット持ってない人が暴動を起こし、ゲートを破壊して会場になだれ込み、2日目、3日目は警察や市当局の指導でキャンセル。95年ディアクリークの二の舞いだ。
3月上旬 ハズレの手紙が届き続けている一方、今頃になって当選メールが届いた人もいる。パソコンのメールボックスをよく調べてみたら、10日前に当選メールが届いてたという人もいた。私もメールボックスを目を皿のようにして調べてみたが、当選メールは見つからず。
3月13日(金) この日あたりから、再びハズレの手紙の嵐が吹き荒れる。日本にも届くとしたら、次の週の前半か。
3月17日(火) 予想は当たり。拙宅に未換金の為替が詫び状付きで遂に到着。詫び状は赤くなかった。がっくり。
3月17日(火) 昔デッドのチケット係をやってた人(音楽評論家グリール・マーカスの弟)の友人等、デッドの事務所と少しでもコネのある人に連絡を取ってみたものの、回答はかんばしくない。
3月19日(木) 近所の郵便局為替を払い戻し。田舎の局なので、外国向け為替の払い戻しは民営化以来初の事例らしくて処理方法がわからず、カウンターの向こうはあたふたしてる様子だが、10分に1度は2人の職員が進行状況の説明に席で待ってる私のところに来てくれる(為替を換金する際、裏に住所氏名を書いて捺印----申し込みの時も含めて、何回住所氏名を書いたことか!)。最終的に1時間かかってやっと現金を持って来る際には、2人にプラスして局長さんまで直々にお出ましになり、超時間がかかったお詫びのしるしにと半透明ゴミ袋をプレゼントしてくれるというオマケ付き(超恐縮)。
3月下旬 みんなで集まって残念会をやろうかなんて話もあったが、みんな落ち込んでそんな気にもなれず、アイデアは立ち消えに。
ということで、結局、為替の発行手数料14,000円(4人で等分するから、ひとり3,500円)、アメリカまでの航空便代190円、航空券+ホテルのキャンセル料38,000円ほど(これはひとり当たり、イタタタタ…)のマイナスを計上し、私ともうひとり(音楽ライター)はチケット騒動からはこれで撤退です(残り2人----私の1万倍は濃い〜デッドヘッズ----はとにかくシカゴまでは行く決意みたい)。この2カ月は、現地で昼飯を食べるレストランをネットで探したり、どんなレポートを書こうか考えたり、まさに取らぬチケットの皮算用の日々。感想をひとことで言うと
「いい夢見たな」です。