2025年06月08日

1974ツアーのダブル・ドラムの曲

 今は昔、2009年に《Before The Flood》のリマスターCDが発売されて、このアルバムをあらためてじっくり聞いてみる良い機会となった際に、〈Thin Man〉のドラムだけダブルで聞こえるような気がしました。ボブがピアノを弾きながら歌う曲なので、リチャード・マニュエルが自分の楽器をボブに譲ってドラムに回った可能性は大ありです。しかし、それまでに私が読んだどの本にも、ボブのセットの曲でリチャードがドラムを叩いてる曲があるとは書かれてないので(あくまで私のごく限られた読書、および、その粗末な記憶の範囲内では)、知人に意見を求めたところ、大した返事はなかったので、この疑問はそのまま忘れてました。ところが、《The 1974 Live Recordings》の解説ブックレットで、実際にシカゴ公演を見たヘッケルさんがツアー初日(1/3)の思い出としてこんなことを書いてたので(しかも、〈Hero Blues〉とは超予想外)、10数年ぶりにこの件を思い出しました。
Hero.jpg

 印刷媒体でダブル・ドラムに言及しているのは、この解説ブックレットが世界初でしょう。ネットでも見かけません。ツアー以後の50年間、誰も書いてなかったと思います。(この本にあったよ、このサイトにあ るよというデータをお持ちでしたら、是非教えてください)
 ということで、ドラムに注意しながらCD全27枚を聞いてみたところ、1公演あたり2曲ほどでリヴォンとリチャードによるツイン・ドラムが聞こえてきます。以下は調査結果なのですが、コンサートによっては50年以上前の簡易録音ゆえ、ボード音源ではあるものの音質やテープの状態がベストではなく、判断が困難なトラックもありました。何らかの理由でリチャードのドラムのマイクがオフになってたケースもあるかもしれません。私のその日の体調や気分で、ひとりに聞こえたりふたりに聞こえたり…(もはや幻聴?)。
 これもドラムがダブルだ、いや、これはリヴォンひとりだ等、皆さんの意見も聞かせていただけたら幸いです。

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1月3日 シカゴ
なし。このショウだけモノラルで、音の分離の点で最も問題のある音源なので(しかも、ヘッケルさんの目撃証言あり)、20回くらい聞いた上での結論です。〈Hero Blues〉ではうっすらピアノの音が聞こえるので、リチャードはドラムではないでしょう。他のトラックもドラムがダブルで聞こえるものはありません(私の耳には)。なので、解説には1/4のコンサートのことが混じってると思います。

1月4日 シカゴ
〈Hero Blues〉
〈Thin Man〉


1月6日(昼) フィラデルフィア
〈Hollis Brown〉
〈Thin Man〉


1月6日(夜)フィラデルフィア
なし?

1月07日 フィラデルフィア
〈Tom Thumb's Blues〉
〈Thin Man〉
〈Hollis Brown〉


1月09日 トロント
〈Thin Man〉?
〈Hollis Brown〉?


1月11日 モントリオール
〈Hollis Brown〉

1月14日昼 ボストン
〈Hollis Brown〉

1月15日 ラーゴ
〈Hollis Brown〉

1月16日 ラーゴ
〈Thin Man〉
〈Hollis Brown〉


1月17日 シャーロット
〈Thin Man〉
〈Hollis Brown〉


1月19日昼 ハリウッド(フロリダ州)
〈Hollis Brown〉
 このショウは〈Watchtower〉以後しか収録されてないので、〈Thin Man〉については判定不能です。

1月21日 アトランタ
〈Thin Man〉
〈Hollis Brown〉


1月22日 アトランタ
〈Thin Man〉?
〈Hollis Brown〉


1月26日昼 ヒューストン
〈Thin Man〉
〈Hollis Brown〉


1月26日夜 ヒューストン
〈Hollis Brown〉

1月30日 ニューヨーク
〈Hollis Brown〉
 この公演以後は、いくつかのショウを除いてマルチトラックで録音し、丁寧にミックスしているようで、格段に音質が良くなります。〈Hollis Brown〉の演奏後、ボブが「That 's Richard Manuel on drums」って紹介してます。


1月31日昼 ニューヨーク
〈Hollis Brown〉
〈61〉


1月31日夜 ニューヨーク
〈Hollis Brown〉
〈61〉


2月09日昼 シアトル
〈Hollis Brown〉
〈61〉


2月09日夜 シアトル
〈61〉
 このショウは〈Times〉以降しか収録されてないので実際に音源を聞いて確認することは出来ないのですが、おそらく〈Hollis Brown〉はダブルでしょう。

2月11日昼 オークランド
〈Hollis Brown〉
〈61〉


2月11日夜 オークランド
〈Hollis Brown〉
〈61〉
〈Maggie〉


2月13日 ロサンゼルス
〈Hollis Brown〉
〈61〉?


2月14日昼 ロサンゼルス
〈Thin Man〉
〈Hollis Brown〉
〈61〉

 《Before The Flood》に入ってる〈Thin Man〉はこのショウの演奏です。今の耳で聞くとドラムはツインです。前後のトラックのスネアの音と比較すると、違いは明らかです。


2月14日夜 ロサンゼルス
〈Thin Man〉
〈Hollis Brown〉
〈Maggie〉?


 いかがでしょうか。

 リチャードのドラム・セットはどこにあったのかというと、客席側から見てリヴォンの右側です。こんな写真がありました。
levon manuel.jpg

 また、1974年9月14日にロンドンのウェンブリー・スタジアムで行なわれたCSN&Yのコンサートの前座をザ・バンドが務めた際の映像には、こんなシーンがありました(曲は〈Mystery Train〉。0:58:12から始まってます)。以上のトラックもそうなのですが、リチャードはリヴォンの先導でバンド全体のテンポが定まるのを待って、ドラムを叩き始めてるようです。



レコード・コレクターズ 2025年06月号(19637) - 楽譜ネッツ
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タルサのボブ・ディラン・センター、ウディー・ガスリー・センター、チャーチ・スタジオに関する記事を書きました。


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2025年03月04日

『マジック・イヤーズ:魔法があった』ー我がロックンロールライフの回顧録 - ジョナサン・タプリン

 秘宝の記事には未邦訳って書いちゃいましたが、『Magic Years』は邦訳が1年前に出版されてました。
 イライジャ本より数年後に出た本なので、それには載ってない'65年ニューポートの目撃談も載ってます。必読。アルバート・グロスマンはどちらかというと悪徳マネージャーというイメージが作られ、実際、ボブと縁が切れた後も、契約の条項を盾に、多額の金が自分のところに回ってくるようにしてたなんてことが知られてますが、ジョナサンはグロスマンから芸能マネジメントのイロハを学んだ人物ゆえ、悪口は一切書いてません。むしろ、芸能界・レコード業界をマフィアから切り離そうと努力した人だと評価してます。(私が思うに、それがブートレッグがはびこる原因の1つになったと思われる)
 でも、一番笑って読めたのが《Exile On Main St》のジャケットの件。薬中が嫌いなので1972〜73年ツア・マネの仕事を断った後、ミックからロバート・フランクを探せって命じられて、ものすごく苦労したこと、フランクを見つけてロスに呼んだものの、こいつ全然仕事をしなくて困ったことが書かれてます。

このページでサンプルが読めます:
https://store.voyager.co.jp/publication/5960000000496
 
『マジック・イヤーズ:魔法があった』ー我がロックンロールライフの回顧録 - ジョナサン・タプリン, 御影雅良
『マジック・イヤーズ:魔法があった』ー我がロックンロールライフの回顧録 - ジョナサン・タプリン, 御影雅良

ボブ・ディラン 裏切りの夏 - イライジャ・ウォルド, 高波創太
ボブ・ディラン 裏切りの夏 - イライジャ・ウォルド, 高波創太

メイン・ストリートのならず者(SHM-CD) - ザ・ローリング・ストーンズ
メイン・ストリートのならず者(SHM-CD) - ザ・ローリング・ストーンズ


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2025年03月02日

タルサ雑感

 私が滞在してた2月上旬は、深夜から早朝にかけてちょっとだけ雨が降り、昼間はぎりぎり降らないという天気でした。

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 一番驚いたのが、人口密度が低い!ということです。決してゴーストタウンではないのですが、ダウンタウンの中心にあるホテルの前の道がこの状態です。渋滞知らず。ダウンタウンにマクドナルドがありません。マックはダウンタウンと空港の真ん中へんにありました。

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 街のところどころに壁画があります。アートで町興しですね。

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 リオン・ラッセルの絵は3つ見つけました。もっとあるかもしれません。最後のものはチャーチ・スタジオの道を挟んで前の建物の壁に描かれてました。

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 タルサの観光サイトには必ず載ってる「宇宙の中心」がこれ。一応、アートの一環なんでしょうが、重要度は私にはわからず。

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 オクラホマ州は解禁されてるようで、ストリートを歩いててどうも臭いなと思ったら、こんな店がありました。観光客が寄ってOKなのかどうか、外国人でも買えるのかどうか、調べる勇気はありませんでした。

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 こんな標識もありました。タルサは宇都宮と姉妹都市なんでしょうか? 方向はだいたい合ってるかな?

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 タルサでは有名なライブ会場、ケインズ・ボールルームです。

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 チャーチ・スタジオに向かおうとしてたら、トランプ政権不支持を表明するささやかなデモ隊に遭遇。掲げてるプラカードには「オレたちは狂人を選んじまった」「イーロン・マスクをやめさせろ」と書いてありました。テレビ局も取材。

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 ボブ・ディラン・センター、ウディー・ガスリー・センターのある通りの角に、この標識があります。この通りの名前については、3年前に紹介したハロルド・レピドゥスさんの記事を読んでください。

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 タルサ国際空港のロビーには詩人、ジョイ・ハージョのこんな展示がありました。これが私がタルサで撮影した最後の写真です。


Bob Dylan: Mixing up the Medicine - Davidson, Mark, Fishel, Parker
Bob Dylan: Mixing up the Medicine - Davidson, Mark, Fishel, Parker

To Tulsa and Back - Cale, J.J.
To Tulsa and Back - Cale, J.J.

Tulsa タルサ トレーナー
Tulsa タルサ トレーナー


 
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2025年03月01日

紙モノ

 ボブ・ディラン・センターとウディー・ガスリー・センターで拾ってきた紙モノです。こういうのが好きな人いるでしょ。

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Bob Dylan Center宣伝チラシ


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Bob Dylan Center、Woody Guthrie Center両方の宣伝チラシ


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Bob Dylan Centerの2階で行なわれてたジェシ・エド・デイヴィス特別展の宣伝チラシ


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ジェシ・エド・デイヴィス・トリビュート・ショウ『Red Dirt Boogie』チケット
Will Callというかたちで申し込んで、会場のボックスオフィスで受け取りました。


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Bob Dylan Center内、エルヴィス・コステロのジュークボックス企画の宣伝チラシ
これ、コステロのエッセイなので、ファン必携のアイテムですね


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Woody Guthrie Center宣伝チラシ(外側)


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Woody Guthrie Center宣伝チラシ(内側)


ボブ・ディラン 裏切りの夏 - イライジャ・ウォルド, 高波創太
ボブ・ディラン 裏切りの夏 - イライジャ・ウォルド, 高波創太

ボブ・ディランの詩学 - 大八木敦彦
ボブ・ディランの詩学 - 大八木敦彦

A Complete Unknown (Original Motion Picture Soundtrack) - Timothée Chalamet
A Complete Unknown (Original Motion Picture Soundtrack) - Timothée Chalamet

流行歌集 (完全生産限定盤) (アナログ盤) (特典なし) [Analog] - ボブ・ディラン
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2025年02月28日

【聖地巡礼】ウディー・ガスリー・センター

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 タルサにまずはウディー・ガスリー・センターが出来て、それがボブ・ディラン・センターがこの地に出来る理由になっていることは、先の記事で紹介済みですが、本当に隣同士なので、両方セットで訪問するしかありません。ウディーのほうも入場料のシニア扱いは55歳からなので、微妙な年頃の人は申込の際に注意してください。入場の時、こちらではカバンをロッカーに預けろとは言われず、スマホ等での写真撮影もうるさいことは言われません。

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 入ってすぐのところにあるボブとウディーが並ぶ素晴らしい肖像画は、ジョン・メレンキャンプの筆によるものです。ボブ・センターとウディー・センターは隣同士であるべきという意識の表れのように感じます。これを見ながら、映画『名もなき者』もウディーに始まりウディーで終わってることを思い出しました。

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 ほぼ音楽一辺倒だったボブ・センターとは違って、こちらはウディーの私生活も詳しく、生々しく紹介してます。ウディーの生涯を6つ(だったっけかな?)に分けて映像と音で紹介するコーナーでは、子供の頃、父親が黒人のリンチに参加して帰宅し、楽しかったと感想を述べたのを聞いて、ショックを受けたなんてことや、ウディーの晩年を苦しめたハンチントン病は遺伝性で、母親も発症していたという説明もありました。
 これを見てると、近所の(?)小学生の集団が入館し、彼らに対して係員が説明を始めました。「歌を作り、歌い、絵を描き、物語を作り、ラジオ番組に出たウディーは、最初のマルチメディア・アーティストのひとりでした」なんて聞こえてきます。この説明の通り、ウディー・センターには絵も多数展示されてました。学校の社会見学の集団が新たに次々に現れ、説明係のオジサンは大忙しです。ボブ・センターのほうでも社会見学の子たちがいたので、きっとルートになってるのでしょう。
 ボブ・センターにもアポがないと入れない箇所がありましたが、ウディー・センターも同様です。こちらにはドアに次のようなことが書いてありました。

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 要するに、研究テーマや調査したいことを書類にして提出し、それが妥当と認められないといけないようです。ボブ・センターのほうもきっとそうでしょう。

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 あちらではジェシ・エド・デイヴィスの特別コーナーがありましたが、こちらではデヴィッド・ガー写真展が開かれてました。ガーは初期のボブを始め多数のアーティストを撮影しています。長年に渡ってニューポート・フォーク・フェスティバルもフィルムに収めてきたので、『名もなき者』でも重要な場面として描かれてる同フェスの歴史を伺い知ることが出来ます。これ↓はガーが撮影した写真集で、何と、ボブに贈られた1冊です。

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 下のものはウディー・センターの端にひっそりとあったものですが、1963年ニューポート・フェスで観客に配布された(販売された?)ウチワです。今ではアイドルの応援グッズとしてウチワがポピュラーな存在ですが、そのハシリがニューポートだったわけです。これは我ながら大発見(ボブ・センターの「666」も)。右上にボブのサインがありますね。他のサインは誰のものか、私の頭部に付いてる目という名の節穴ではわかりません。わかった方は是非教えてください。

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生誕100周年(豪華本+3枚組CD) - ウディ・ガスリー, WOODY GUTHRIE
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Bound for Glory (Plume) (English Edition) - Guthrie, Woody, Seeger, Pete
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アレサ・フランクリン ポートレート写真 by David Gahr パーカー
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